はじめに
前回の記事では、Arduinoでテトリス風ゲームを作るためのハードウェア構成と配線について解説しました。本記事では、その続きとしてゲームプログラムの実装にフォーカスし、ゲームの基本動作から応用機能まで詳しく説明します。
前編をまだ読んでいない方は、先に**Arduinoで簡単なゲーム機(Tetris)を作る(前編)**をチェックしてください。
ゲームプログラムの概要
Arduinoを使ったテトリス風ゲームは、以下のような流れで動作します。
- ブロックの生成:ランダムな形のブロックが画面上部に登場。
- プレイヤーの操作:ボタンでブロックを移動・回転。
- ブロックの落下:一定時間ごとにブロックが下に移動。
- ラインの消去:横一列が埋まるとラインが消去される。
- ゲームオーバー判定:ブロックが画面上部に到達すると終了。
- スコアの記録:プレイヤーのスコアを更新し、ハイスコアも保存。
ゲームプログラムの実装
1. 必要なライブラリの導入
ArduinoでOLEDディスプレイを使うために、以下のライブラリをインストールします。
Adafruit GFX
(グラフィック描画用)Adafruit SSD1306
(OLEDディスプレイ用)EEPROM
(スコア保存用)
Arduino IDEのライブラリマネージャーで上記をインストールしておきましょう。
2. 基本プログラムの作成
以下のコードをArduinoに書き込むことで、基本的なテトリスの枠組みが動作します。
#include <Wire.h>
#include <Adafruit_GFX.h>
#include <Adafruit_SSD1306.h>
#define SCREEN_WIDTH 128
#define SCREEN_HEIGHT 64
Adafruit_SSD1306 display(SCREEN_WIDTH, SCREEN_HEIGHT, &Wire, -1);
const int leftButton = 2;
const int rightButton = 3;
const int rotateButton = 4;
const int dropButton = 5;
void setup() {
pinMode(leftButton, INPUT_PULLUP);
pinMode(rightButton, INPUT_PULLUP);
pinMode(rotateButton, INPUT_PULLUP);
pinMode(dropButton, INPUT_PULLUP);
display.begin(SSD1306_SWITCHCAPVCC, 0x3C);
display.clearDisplay();
display.setTextSize(1);
display.setTextColor(WHITE);
display.setCursor(0, 10);
display.print("Tetris Game Ready");
display.display();
}
void loop() {
if (digitalRead(leftButton) == LOW) {
// 左に移動
}
if (digitalRead(rightButton) == LOW) {
// 右に移動
}
if (digitalRead(rotateButton) == LOW) {
// 回転
}
if (digitalRead(dropButton) == LOW) {
// 落下
}
}
3. ブロックの生成と移動
ゲームの基本となる「ブロックの生成」と「移動」について説明します。
ブロックの形状データ
テトリスのブロックは、2D配列として定義します。
const byte blocks[7][4] = {
{0x0E, 0x04, 0x04, 0x00}, // I
{0x0C, 0x06, 0x00, 0x00}, // S
{0x06, 0x0C, 0x00, 0x00}, // Z
{0x0E, 0x0A, 0x00, 0x00}, // T
{0x0E, 0x08, 0x08, 0x00}, // L
{0x0E, 0x02, 0x02, 0x00}, // J
{0x0E, 0x0E, 0x00, 0x00} // O
};
ブロックを落下させる
ブロックを一定時間ごとに1マスずつ下に移動させます。
void moveBlockDown() {
// ブロックの位置を下げる処理
}
4. ライン消去とスコア加算
横一列が埋まったときに消去し、スコアを加算します。
void checkLineClear() {
for (int row = 0; row < 10; row++) {
if (/* 条件: すべての列が埋まっている */) {
// 行を削除し、スコアを加算
}
}
}
5. ゲームオーバー判定
ブロックが画面上部に達したらゲームオーバーです。
bool checkGameOver() {
// 画面上部にブロックがあるか確認
}
応用機能の追加
1. スコア表示と保存
EEPROMを使ってスコアを保存し、次回のゲームでもハイスコアを維持できます。
void saveHighScore(int score) {
EEPROM.write(0, score);
}
2. サウンドエフェクトの追加
ブロックが落ちる・回転する・ラインが消えるときに効果音を鳴らします。
void playSound(int frequency) {
tone(6, frequency, 100);
}
3. Wi-Fiランキング機能(ESP8266との連携)
スコアを**ESP8266でWebサーバーを構築する**の技術を使ってクラウドに送信し、ランキングを作成できます。
まとめ
本記事では、Arduinoを使ったテトリス風ゲームのプログラム実装について詳しく解説しました。
学んだこと
- ブロックの描画・移動・回転の処理
- ライン消去とスコア加算のロジック
- ゲームオーバー判定
- サウンドやWi-Fiランキング機能の応用
次のステップとして、ゲームの難易度調整やデザインのカスタマイズに挑戦してみてください!
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