はじめに
Arduino(アルドゥイーノ)は、初心者でも簡単に電子工作が楽しめるマイコンボードです。プログラミングやハードウェアの知識がなくても、LEDの点灯やセンサーを使ったプロジェクトが手軽に始められます。本記事では、Arduinoの基本から、開発環境の設定、簡単なプロジェクトの作成までを解説します。

Arduinoとは?
Arduinoは、オープンソースのマイコンボードで、電子工作やIoT開発に広く利用されています。以下の特徴があります。
- 初心者でも扱いやすい:シンプルな構造と分かりやすい開発環境
- 多様なモデル:Arduino Uno、Mega、Nanoなど、用途に応じたラインナップ
- 豊富なライブラリ:多くのセンサーやモジュールを簡単に利用可能
- オープンソース:ハードウェアとソフトウェアの両方が自由に改変・利用できる
代表的なモデルはArduino Unoで、初心者に最適なボードです。その他、プロジェクトの規模に応じて異なるボードを選ぶことができます。
必要なもの
Arduinoを始めるためには、以下のものを用意しましょう。
- Arduinoボード(例:Arduino Uno)
- USBケーブル(ArduinoとPCを接続)
- ブレッドボードとジャンパーワイヤ
- LED、抵抗(330Ω推奨)
- PC(Windows, macOS, Linux対応)
- 各種センサーやスイッチ(プロジェクトによる)
Arduino IDEのインストール
プログラムは「Arduino IDE」というソフトウェアを使って書きます。
インストール手順
- 公式サイトにアクセス
- 「SOFTWARE」タブから「Arduino IDE」をダウンロード
- インストーラーを実行し、指示に従ってインストール
- インストール後、Arduino IDEを起動
IDEの設定として、ボードとシリアルポートの選択を行い、動作確認をしておくことをおすすめします。
最初のプログラム(LEDを点滅させる)
Arduinoを使う第一歩として、LEDを点滅(ブリンク)させるプログラムを書いてみましょう。
回路の作成
- LEDのアノード(長い足)をデジタルピン13へ接続
- カソード(短い足)を330Ωの抵抗を介してGNDへ接続
プログラム(スケッチ)
void setup() {
pinMode(13, OUTPUT); // ピン13を出力モードに設定
}
void loop() {
digitalWrite(13, HIGH); // LEDを点灯
delay(1000); // 1秒待つ
digitalWrite(13, LOW); // LEDを消灯
delay(1000); // 1秒待つ
}
プログラムの解説
setup()
:最初に一度だけ実行される関数(ピンの設定)loop()
:繰り返し実行される関数(LEDのON/OFF制御)digitalWrite(13, HIGH);
:ピン13を「HIGH」にしてLEDを点灯delay(1000);
:1秒(1000ミリ秒)待機
LEDの点灯時間や消灯時間を変更して、どのように動作が変わるか試してみましょう。
センサーを使ってみよう(LDRによる明るさ測定)
光センサー(LDR:Light Dependent Resistor)を使って、周囲の明るさを測定するプログラムを作成します。
回路の作成
- LDRの一方を5V、もう一方をA0ピンへ接続
- A0ピン側に10kΩの抵抗を挟み、GNDへ接続
プログラム
void setup() {
Serial.begin(9600); // シリアル通信の開始
}
void loop() {
int value = analogRead(A0); // A0ピンの値を取得
Serial.println(value); // 値をシリアルモニターに表示
delay(500); // 0.5秒待つ
}
プログラムの解説
Serial.begin(9600);
:シリアル通信の開始analogRead(A0);
:A0ピンのアナログ値を取得Serial.println(value);
:値をシリアルモニターに表示
Arduino IDEの「シリアルモニター」を開くと、明るさに応じた数値が表示されます。
よくあるトラブルと対策
Arduinoが認識されない
対策:
- USBケーブルが正しく接続されているか確認
- デバイスマネージャー(Windows)もしくはシステム情報(Mac)でポートを確認
- IDEの「ツール」→「シリアルポート」で適切なポートを選択
プログラムが書き込めない
対策:
- 「ツール」→「ボード」→「Arduino Uno」を選択
- 「ツール」→「ポート」で正しいポートを指定
- 別のUSBポートに差し替えてみる
LEDが点灯しない
対策:
- LEDの向き(アノード・カソード)を確認
- 抵抗の接続を見直す
- ピン番号が間違っていないかチェック
まとめ
本記事では、Arduinoの基本的な使い方や、開発環境の設定、LEDを点滅させるプログラムなど、光センサーを利用したプロジェクトを紹介しました。Arduinoを使うと、さまざまなセンサーやモジュールと組み合わせて、面白い電子工作が可能です。
今後は、モーター制御や無線通信(Wi-FiやBluetooth)を活用したプロジェクトにも挑戦してみましょう!また、Arduinoを活用した応用的なプロジェクトを通して、さらに高度な電子工作にも挑戦できるようになります。
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