はじめに
Raspberry Piを使えば、低コスト・省電力で自宅にホームサーバーを構築できます。自宅のファイル共有、クラウドストレージ、Webサーバー、メディアサーバーなど、さまざまな用途に活用可能です。
本記事では、Raspberry Piを活用してホームサーバーを構築する方法を詳しく解説します。
✅ 必要な機材と環境設定
✅ インストールするべき基本ソフトウェア
✅ ファイルサーバー、Webサーバー、クラウドストレージの構築方法
✅ 運用・セキュリティ対策
1. ホームサーバーとは？
ホームサーバーとは、自宅で運用する個人用のサーバーのことです。Raspberry Piを使うことで、手軽に構築でき、電気代も安く運用可能です。
🔹 ホームサーバーでできること
✅ ファイル共有（NASとして利用）
✅ クラウドストレージ（Nextcloud）
✅ Webサイトのホスティング
✅ メディアサーバー（Plex, Jellyfin）
✅ ホームオートメーション（Home Assistant）
✅ VPNサーバー（外部アクセス用）
2. 必要なもの
🔹 機材リスト
| 部品名 | 用途 |
|---|---|
| Raspberry Pi 4 / 5 | メインのサーバー |
| microSDカード（32GB以上） | OSとデータ保存 |
| USB外付けSSD / HDD | 大容量データ用（推奨） |
| イーサネットケーブル | 安定した接続のため（Wi-Fiでも可） |
| 冷却ファン or ヒートシンク | 長時間稼働時の発熱対策 |
🔹 ソフトウェア
✅ Raspberry Pi OS（Lite版推奨）
✅ Samba（ファイル共有用）
✅ Apache / Nginx（Webサーバー）
✅ Nextcloud（クラウドストレージ）
✅ Plex / Jellyfin（メディアサーバー）
✅ OpenVPN / WireGuard（VPN構築）
3. Raspberry Piの初期設定
🔹 OSのインストール
- Raspberry Pi Imagerをダウンロード
- 「Raspberry Pi OS Lite」を選択
- microSDカードに書き込み、Raspberry Piにセット
- SSHを有効化（
sshという空ファイルを/bootに作成）
🔹 SSH接続 & 初期設定
ssh pi@raspberrypi.local
# 初回ログイン後にアップデート
sudo apt update && sudo apt upgrade -y🔹 ストレージの拡張（SSD/HDD）
lsblk # デバイス名を確認
sudo mount /dev/sda1 /mnt/external4. ファイルサーバー（NAS）の構築
🔹 Sambaのインストール
sudo apt install samba -y🔹 共有フォルダの設定
sudo nano /etc/samba/smb.conf以下を追加：
[Shared]
path = /home/pi/shared
read only = no
browsable = yes
valid users = pi設定を適用：
sudo systemctl restart smbd5. Webサーバーの構築
🔹 ApacheまたはNginxのインストール
sudo apt install apache2 -y # Apacheの場合
sudo apt install nginx -y # Nginxの場合ブラウザで http://raspberrypi.local/ にアクセスし、ページが表示されれば成功。
6. クラウドストレージ（Nextcloud）の構築
🔹 Nextcloudのインストール
sudo apt install mariadb-server php php-mysql -y
wget https://download.nextcloud.com/server/releases/nextcloud-25.0.3.zip
unzip nextcloud-25.0.3.zip -d /var/www/
sudo chown -R www-data:www-data /var/www/nextcloudブラウザで http://raspberrypi.local/nextcloud にアクセスし、セットアップ。
7. メディアサーバーの構築
🔹 Plex Media Server のインストール
echo "deb https://downloads.plex.tv/repo/deb public main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/plexmediaserver.list
sudo apt update
sudo apt install plexmediaserver -yブラウザで http://raspberrypi.local:32400/web にアクセス。
8. VPNサーバーの構築
🔹 WireGuardのインストール
sudo apt install wireguard -y設定ファイルを作成：
sudo nano /etc/wireguard/wg0.conf以下を記述：
[Interface]
Address = 10.0.0.1/24
PrivateKey = (生成した秘密鍵)
ListenPort = 51820VPNを有効化：
sudo systemctl start wg-quick@wg09. セキュリティ対策
🔹 ファイアウォールの設定（UFW）
sudo apt install ufw -y
sudo ufw allow OpenSSH
sudo ufw allow 80
sudo ufw allow 443
sudo ufw enable🔹 Fail2BanでSSH攻撃を防ぐ
sudo apt install fail2ban -y
sudo systemctl enable fail2ban10. まとめ
Raspberry Piでホームサーバーを構築すれば、低コスト・省電力で自分専用のサーバーを運用できます。
💡 今回のポイント
✅ ファイルサーバー（NAS）を構築
✅ Webサーバーをセットアップし、サイトをホスティング
✅ Nextcloudでクラウドストレージを実現
✅ Plexを使ってメディアサーバー化
✅ VPNサーバーを導入し、安全なリモートアクセスを可能に
Raspberry Piを活用して、自分だけのホームサーバーを構築しましょう！
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